ストレスと「体の不調」―検査で異常がないのに、つらいとき

院長コラム
この記事は約3分で読めます。

「異常なし」と言われたけれど

頭痛が続く。めまいがする。動悸がして息苦しい。胃が重く、食欲がない。内科を受診して血液検査や心電図、胃カメラまで受けたのに、結果は「特に異常はありません」。

ほっとする一方で、「では、このつらさは何なのか」と強い不安が残る方は少なくありません。周囲に「気のせいでは」と言われ、誰にも分かってもらえない孤独感を抱えている方もいます。

まずお伝えしたいのは、そのつらさは「気のせい」でも「気持ちが弱いから」でもない、ということです。検査で形に現れないだけで、体は実際に反応しています。

ストレスは「体」に出る

私たちの体には、意識しなくても心臓や胃腸、血管を調節する「自律神経」があります。緊張や不安が続くと、この調節が乱れ、さまざまな症状として現れます。

よく見られるのは、次のような症状です。

  • 頭痛・肩こり・首のこわばり
  • めまい・ふらつき・耳鳴り
  • 動悸・息苦しさ・胸の圧迫感
  • 胃の不快感・吐き気・下痢や便秘
  • だるさ・疲れが取れない、寝つきの悪さ

特徴的なのは、症状が「日曜の夜」「会議の前」など、特定の場面や時間帯に強まりやすいこと。休日や旅行先では軽くなる、という方もいます。こうした波は、心と体がつながっていることの表れです。

「心の問題」と決めつけないことも大切

一方で、体の病気が隠れていないかを確かめることは、とても大切です。甲状腺の働きの乱れや貧血、睡眠時無呼吸などは、心の不調とよく似た症状を出すことがあります。

当院では、これまでの検査結果を拝見したうえで、必要があれば内科等と連携します。受診の際は、検査結果やお薬手帳をお持ちいただけると助かります。

なお、次のような場合は精神科より先に、すぐに内科や救急を受診してください。

  • 突然の激しい頭痛や胸の痛み
  • 手足のしびれや麻痺、ろれつが回らない
  • 意識が遠のく、体重が急に減っている

薬だけに頼らず、体のリズムを整える

症状がつらいとき、痛み止めや胃薬、抗不安薬が少しずつ増えていくことがあります。一時的には必要な場合もありますが、症状ごとに薬を足すだけでは、根っこにある自律神経の乱れは整いません。

当院では、可能な限り最小限の処方で、次のような土台づくりを大切にしています。

  1. 睡眠を整える ―― 自律神経は眠っている間に回復します。起きる時刻を一定にし、朝の光を浴びることが第一歩です(第3号「眠れない夜を、薬だけに頼らず整える」もご覧ください)。
  2. 体を動かす ―― 毎日の散歩など軽い運動は、緊張と緩和の切り替えを滑らかにします。
  3. 一日の中に「ゆるめる時間」をつくる ―― ゆっくりとした呼吸や、湯船に浸かる時間も立派な治療の一部です。
  4. ストレスの「元」を一緒に整理する ―― 仕事や家庭で何が負担になっているのかを言葉にし、変えられるものから手をつけていきます。

当院では、脳波で睡眠の状態を測る「インソムノグラフ」も取り扱っています。自分では気づきにくい眠りの質を客観的に確認できるため、体の不調を整える手がかりになります。

こんなときは、一度ご相談ください

  • 内科で「異常なし」と言われたが、症状が1か月以上続いている
  • 症状のせいで、仕事や家事に支障が出ている
  • 病院をいくつも回ったが、原因が分からず不安が強い
  • 痛み止めや胃薬の量が増えてきている

「精神科に行くほどではない」と感じる方もいらっしゃるでしょう。ですが、心と体のつながりを整理するだけで、気持ちが楽になることも少なくありません。

おわりに

検査で異常がないのにつらい――それは、体が「少し休みが必要だ」と知らせてくれているサインかもしれません。薬を重ねる前に、睡眠と生活のリズムから一緒に整えていきましょう。

当院は初診・再診とも完全予約制です。ご予約はお電話(054-200-2227、受付 9:00〜17:00)にて承っています。

※本コラムは一般的な情報提供を目的としています。症状については自己判断せず、医療機関にご相談ください。

コメント