私の治療は・・・

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「脱・薬物療法」

精神科の治療は主に精神療法と薬物療法です。クリニックでの精神療法は、支持的精神療法*1での対応になることが多いかと思います。ところが実際はどうでしょう。「5分診療」*2ですらなく、前回と同じ処方を継続するだけの治療になっていないでしょうか。


精神科で処方される代表的な薬に抗不安薬、睡眠薬がありますが、依存性がある薬剤が多く、いたずらに薬物療法が延長しているケースは少なくありません。

共に治療を進めていくことを理解いただける方と「脱・薬物療法」を実践していきたいです。

*1 支持的精神療法とは患者さんの自立を促し、問題解決能力を高めることを目的とした治療法です。患者さんの現在抱えている問題に焦点を当て、具体的な解決策を一緒に探っていくことで、心の安定と生活の質の向上を目指します。
*2 5分診療とは、精神科や心療内科の診療において、医師が患者に対して5分以内に丁寧な問診と身体診察を行い、その結果に基づいて症状の再確認や病状の説明、療養上の注意点を患者に行うことを指します。

終診をめざして

現在の精神医学では長期間治療が必要な疾患があります。それでもいつしか、服薬せずとも安定した生活を送ることができることを目指しています。

誤診の恐ろしさ

高校性から20代前半の方で統合失調症と誤診された方がしばしば相談にこられます。
確かに統合失調症の発症年齢は10代後半から20代前半ですが、安易に統合失調症の診断を下すのは危険だと考えます。その診断を元に抗精神病薬が処方されるのは更に危険です。

2003年松山市にある味酒心療内科の笠陽一郎先生が、「毒舌セカンドオピニオン」というウェブサイトを開設されました。そこで、発達障害傾向のある若年者が統合失調症と誤診されている症例を多数報告されていました。当時から統合失調症の診断に関して疑問を感じるケースをいくつか経験していたので、笠先生の考えに強く共感しました。その後、2008年に「精神科セカンドオピニオン」という書籍も発刊され、15年以上経過していますが、未だに統合失調症の誤診は後を絶ちません。

統合失調症と誤診され、不必要な抗精神病薬を服用し、困っている方がいらしたら一度相談にいらして下さい。