私がADHDと向き合ってきた体験記
私は社会人になってから、仕事でのミスが多く、周囲とのコミュニケーションもうまくいかないことに悩んでいました。指示を聞き漏らしたり、桁を間違えたり、同じミスを繰り返してしまうこともあり、自分自身に対して強い無力感を感じていました。
そんな中、家族の勧めもあって精神科を受診した結果、「注意欠如・多動症(ADHD)」の傾向があると診断されました。最初は驚きましたが、「自分の行動には理由があった」と知ることができて、少し気持ちが楽になったのを覚えています。
治療として、まずはストラテラという薬からスタートしました。最初は喉の渇きなどの副作用もあり、薬の効果を実感できない時期も続きました。ですが、その後コンサータという別の薬に変更し、徐々に自分の集中力や注意力の改善を感じられるようになりました。特に、電話対応や業務説明など「言葉で伝えること」が苦手だった私にとって、落ち着いて話せるようになったのは大きな変化でした。
服薬だけでなく、生活や仕事環境の調整も重要でした。自分の特性を職場に伝えたことで、周囲からの理解やサポートが得られるようになり、より働きやすくなりました。例えば、明確な指示を紙で出してもらったり、業務内容に配慮してもらったりと、小さな工夫の積み重ねが大きな助けになっています。
もちろん、日によって調子の波はありますし、時には自己管理がうまくいかないこともあります。それでも、以前に比べて「自分を責めすぎない」「工夫すれば変えられる」と思えるようになったことが、何よりの収穫です。
ADHDの診断は私にとって「できない自分を否定するもの」ではなく、「自分を理解し、支えるための一歩」になりました。そして薬物療法が、その一歩を踏み出す大きな助けとなったことを実感しています。