ケース4:統合失調症と誤診された体験〜—セカンドオピニオンを受けて

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最初の診断と違和感

私は、数か月前から不安や不眠に悩まされるようになり、精神科を受診しました。初めて診察を受けたクリニックでは統合失調症という診断を受け、薬を処方されました。服薬を始めると、不安は軽減されたものの、体がじっとしていられないアカシジアの症状が現れ、生活に支障をきたすようになりました。

薬の効果には少し疑問を持ちつつも、当初は医師の指示に従っていました。しかし、処方が切れて服薬をやめても、不安や不眠が悪化することはなく、「本当に統合失調症なのだろうか?」という疑問が強くなっていきました。

セカンドオピニオンの受診

そんなとき、母親の勧めで別の医師*の診察を受けることにしました。新しい医師は、詳しく話を聞いた上で「統合失調症ではなく、神経症の範囲にある」と説明してくれました。つまり、最初のクリニックでの診断は誤診だったのです。

診断が変わったことで、私はそれまで飲んでいた薬をやめることになりました。幸い、服薬を中止しても、不安や不眠が大きく悪化することはありませんでした。その後の経過観察では、睡眠に関する問題や気持ちの落ち込みが続いたため、不眠や不安を和らげる薬を処方されましたが、それは統合失調症の治療とはまったく異なるものでした。

診断の違いとその影響

最初に誤診を受けたことで、私は必要のない薬を服用し、副作用に苦しんでいました。また、「自分は統合失調症なのかもしれない」という思い込みが強くなり、不安が増していたように思います。

しかし、適切な診断を受けたことで、精神的にも少しずつ落ち着くことができました。治療方針が変わったことで、薬の副作用からも解放され、気持ちの整理がつきやすくなりました。

誤診を経験して思うこと

この経験から、私はセカンドオピニオンの重要性を実感しました。精神疾患の診断は非常に難しく、一つの医師の意見だけで決めつけるべきではないのだと痛感しました。もし、今の診断に違和感を覚えたら、別の医師の意見を聞いてみることが大切です。

また、誤診が精神的にも大きな影響を与えることも学びました。誤った診断が本人の思い込みを強め、余計に症状を悪化させることもあるのです。私自身、統合失調症と診断されたことで、「自分は一生この病気と向き合わなければならないのか」と悲観的になっていました。しかし、適切な診断を受けたことで、前向きに生活を見つめ直すことができました。

最後に

現在も、不眠や気分の落ち込みに悩まされることはありますが、統合失調症ではないと分かったことで、自分なりの対処法を考える余裕が生まれました。誤診という経験は決して簡単なものではありませんでしたが、そのおかげで自分の状態を正しく理解し、適切な治療を受けることの大切さを学ぶことができたと思います。

*別の医師:当クリニック院長